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根無し草のように東西南北。島と名のつくところに出かけた放浪記


by gonsima

世界遺産になった喜びと不安

小笠原群島、世界自然遺産決定

ほぼ決定といわれながらの世界遺産登録がようやく決定に
うれしさ100%と不安100%の島っこゴン。

世界遺産になるとそこに行きたいという気持ちで観光客が増えるのは常識的なこと。

だからこそ守ってもらいたい、あの小笠原の島の環境を……。
島固有種を守るためにも、小笠原群島に訪れた人は細心の注意と心配りが必要なのである。

あまり書きたくなかった。
以前お邪魔したとき、
島の固有種のランの株を持ち出した人がいた。
それが発覚したのは小笠原丸が島を離れた後のことで、
島の環境をまもっていたガイドさんがすごく哀しそうだった。
初めは山羊かと思われていたけれども、見事にそのランの株だけがない。しかも同じ種類だけ……という現実に、人でしょうということになったのである。

ガイドさんは自分にその固有種のランの株が群生しているのを見せようと楽しみにしていたそうだ。
「2日前まではきれいにあったのに」という言葉に哀しさと怒りを感じた。

人は小笠原を東洋のガラパゴスという。
でもその人は小笠原は東洋のガラス箱だといった。

綺麗に見えるけれどもちょっとした衝撃や手が加わると
ガチャンと割れて壊れてしまうもろい世界なのだと。

元々、人間がいなかった小笠原。
そこに人がやってきて、住みやすいように開発してきた。
人の歴史の波をかぶりながら島は変化しつつも、生態系はまだ保たれてきた。
でもさらに人の欲がおいかさなり、持ち込まれた外来種や乱獲で、絶滅した種も少なくない。



ピンポーンとベルが鳴った。
でてみると小笠原からの贈り物が届けられた。

世界遺産になった喜びと不安_e0062643_943586.jpg



夏の果実、パッションフルーツだ。
ちなみにパッションフルーツも元々島にあったものではない。
人が持ち込んだものである。

島の生態系を壊さないというのであれば、人がいなくなれば一番いいことなのだろう。
でもこの島が大好きで集まったのが島人なのである。
だからこそ島人は
「自然と共存。持ち込まない、持ち出さない、島の生態系を少しでも昔の形に」
という気持ちをもっている。

青い空、緑の山々、鯨やイルカ、マンタがやってくる宝の海。
それをみて人は喜び、感動する。
その自然を守るために島人は毎日、島を守っている。

世界遺産となった今だからこそ、私達も心せねばいけないのだ。

この島に持ち込まない、そして持ち出さない。
記念になにか……というのは、目や肌で感じた記憶と写真があれば
きっとまた島に行けるはずだから……。

祝!世界自然遺産登録:小笠原群島。


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by gonsima | 2011-06-25 09:53 | 日本:小笠原群島